社会で脇役、人生は主役

 

沢「…主人がうまいこと言うんですよ。暮らしの中には必ず隙間っていうものがある。」河「隙間のわからない人は息がつまるわけですよ。みんなの目に見えない隙間が、僕はたましいだと思っているんです。だから隙間のことを書かれるというのは、それはたましいのことを書いてあるんですよ」

 

河「誰でもはじめは主役になろうとして、自分が主役じゃない人間だということに気がつくのに時間がかかるんですわ」河「主役というのは運命的な力がものすごく大きいから。まあ、言ったら運命の犠牲者みたいなもんですね。脇役は、自分の人生をわりあい自分で歩けますけど、主役の人は、運命を生きなきゃいけないから、大変ですわ。」河「面白いですね。沢村さんは人生の主役をやっておられるんだけど。」沢「そうね。人生じゃ主役ですもんね。」

 

“こころの声を聴く / 河合隼雄と沢村貞子の対談 ”

 

わたしはまだこの後に及んで

まだ主役になれるんじゃないかと思っていた。

でも本当は主役なんてなりたくないのに。

 

人から認めてもらうためには、

主役になって結果を残さないといけないと思っていた。

そのためには、完璧にしなきゃいけないといつも失敗に怯えて

全力で仕事をやってきた。

得たいわけでもないものに、エネルギーを注いでも残るのは虚しさだけだ。

 

私には多分“たましいと言える隙間”は無い。

なぜなら、自分のなかから湧き出してくるものは

自分の人生を大切に一生懸命生きてきたひとから出てくるものだから。

 

河「危機管理でいうと、ファジーなほうがいいというのは、たとえばわれわれのところに相談に来られる人がみんなそうなんです。みんな思いがけないことに遭遇して不幸になっておられるわけですね。思わぬ事故にあったとか、思いがけない人が亡くなったとか…(略)。そのとき、だいたいファジーなところが少ない人は、その状況にガツーンといかれてしまうわけですね。ファジーさをもっている人は、危機状況のときに強いといえますね。ただ人間の思想とかの体系でいうと、ファジーすぎる人は、危機でないときに負けたりしますので、難しいんですけど…」

“こころの声を聴く / 河合隼雄と多田富雄の対談 ”

 

なんだか自分の、ある少しの部分が点が線になったような気がする。

今後の生きるヒントにできればと思う。

 

隙間を持ちたい。ファジーさを持ちたい。

豊かな脇役でありたい。

自分が気に入った、だけど誰も気付いていない細い小道を、

自分のペースで歩いていきたい。

そして、隙間からじんわり

すこしだけ“たましい”が見える人になりたい。

 

 

河合 隼雄,安部 公房,白洲 正子,山田 太一,谷川 俊太郎
コメント:はっとする言葉だらけの一冊。

トラックバック
  • -
  • - -
  • 2017/09/03 7:48 PM
この記事のトラックバックURL